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鉄面皮
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てつめんぴ
ふりがな文庫
“
鉄面皮
(
てつめんぴ
)” の例文
旧字:
鐵面皮
(彼がひょいと、口をすべらしたのかもしれない。そのくらいの
鉄面皮
(
てつめんぴ
)
さなら、ありあまっている彼のことだから)——
はつ恋
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
知己の者はこの男の事を
種々
(
さまざま
)
に評判する。
或
(
あるい
)
は「
懶惰
(
らんだ
)
だ」ト云い、或は「
鉄面皮
(
てつめんぴ
)
だ」ト云い、或は「
自惚
(
うぬぼれ
)
だ」ト云い、或は「
法螺吹
(
ほらふ
)
きだ」と云う。
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
私はこの犬の
鉄面皮
(
てつめんぴ
)
には、ひそかに
呆
(
あき
)
れ、これを軽蔑さえしたのである。長ずるに及んで、いよいよこの犬の無能が暴露された。だいいち、形がよくない。
畜犬談:―伊馬鵜平君に与える―
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
博戯
(
あそび
)
を
邪
(
さまた
)
げられた金持ち階級は、
遽
(
にわか
)
にざわめいて悪口を口走る。——
鉄面皮
(
てつめんぴ
)
だの、
唖
(
おし
)
かの、つんぼかのと。
宮本武蔵:04 火の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
日本男子
鉄面皮
(
てつめんぴ
)
なるも、その
眼
(
がん
)
に映じて醜なるものは醜にして、美なるものは美なるべし。既に醜美の判断を得たり、然らば
則
(
すなわ
)
ち何ぞその醜を去って美に
就
(
つ
)
かざるや。
日本男子論
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
▼ もっと見る
切
(
せ
)
めて山本伯の
九牛一毛
(
きゅうぎゅういちもう
)
なりとも功名心があり、粘着力があり、利慾心があり、かつその上に今少し
鉄面皮
(
てつめんぴ
)
であったなら、恐らく二葉亭は二葉亭四迷だけで一生を終らなかったであろう。
二葉亭余談
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
実際支那人の言つたやうに「変らざるものよりして之を見れば」何ごとも変らないのに違ひない。僕も
亦
(
また
)
僕の小学時代には
鉄面皮
(
てつめんぴ
)
にも
生薬屋
(
きぐすりや
)
へ行つて「
半紙
(
はんし
)
を下さい」などと言つたものだつた。
本所両国
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
……わたしは、そうまで
鉄面皮
(
てつめんぴ
)
というものにはなれません。
大菩薩峠:25 みちりやの巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
そうだ、一つ
鉄面皮
(
てつめんぴ
)
に出かけてみようか。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
来られない道理だ! いかに
鉄面皮
(
てつめんぴ
)
でも、幾多の肉親の頼みや故国の使命を裏切り、あまつさえ、神の
御名
(
おんな
)
をこの国の幕府へ売って、囚徒の後家を妻にもらい
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
無心の小児が父を共にして母を
異
(
こと
)
にするの理由を問い、隣家には父母二人に限りて吾が家に一父二、三母あるは
如何
(
いかん
)
などと、不審を起こして詰問に及ぶときは、さすが
鉄面皮
(
てつめんぴ
)
の
乃父
(
だいふ
)
も答うるに
辞
(
ことば
)
なく
日本男子論
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
鉄
常用漢字
小3
部首:⾦
13画
面
常用漢字
小3
部首:⾯
9画
皮
常用漢字
小3
部首:⽪
5画
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鉄面