重籐しげどう)” の例文
「まっ先にきた小桜縅こざくらおどしのよろい着て葦毛あしげの馬に乗り、重籐しげどうゆみを持ってたかの切斑きりふを負い、くわがたのかぶとを馬の平首につけたのはあれは楠正行くすのきまさつらじゃ」
ああ玉杯に花うけて (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
近習の捧げる重籐しげどうの弓をむずと握って矢をつがえたが、二間余りつと進むと、キリキリキリと引き絞った。
大鵬のゆくえ (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
それはたくましい重籐しげどうの弓を小わきに持った若い、そしてりんりんたる武芸者ぶげいしゃであるから。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
普通の倍もあろうという握り太の重籐しげどうの弓、一尺ぢかい鋭い矢の板をつけた長大の矢。はるか頭上にトビが二羽ピーヒョロヒョロとまっている。矢をつがえて満々とひきしぼって放す。
曽我の暴れん坊 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
孫六は手早く甲胄かっちゅうをつけ、二十四差したる胡籙えびらを負い、重籐しげどうの弓を小脇に抱き、門の上なるやぐらへのぼり、中差なかざしとって打ちつがえ、狭間はざまの板八文字に押しひらき
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
“白石毛”とよぶ白馬にまたがり、赤地錦の直垂ひたたれに、おどしのよろいを着、兵庫グサリの丸鞘まるざやの太刀をはき、重籐しげどうの弓をお手に、こうはね征矢そやをえびらに負っておられたという。