釈迦牟尼しゃかむに)” の例文
日本信者の形容をもってすれば一つのつぼの水を他の一つの壺に移すが如くに肉食を継承けいしょうしているのである。次にまた仏教の創設者釈迦牟尼しゃかむにを見よ。
ビジテリアン大祭 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
象牙色ぞうげいろの磁器にもられた液体琥珀こはくの中に、その道の心得ある人は、孔子こうしの心よき沈黙、老子ろうしの奇警、釈迦牟尼しゃかむにの天上の香にさえ触れることができる。
茶の本:04 茶の本 (新字新仮名) / 岡倉天心岡倉覚三(著)
釈迦牟尼しゃかむにの其生の初にられた処をされねばならなかったか? 世間は誰しも斯く驚きあやしみました。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
これは天竺の迦毘羅衛カビラバスツ城主の子で悉達多シッタルタといい、のちに釈迦牟尼しゃかむにと呼ばれた人間の摸像でございましょう、だがその天竺の一城主の子が、われらにとってなんだというのです
荒法師 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
さて、今にして思えば、釈迦牟尼しゃかむにによって取抑えられたときの恐怖が、それまでの悟空の・途方もなく大きな(善悪以前の)存在に、一つの地上的制限を与えたもののようである。
その門前の南方に当って中央に巍然ぎぜんとして聳えて居る大いなる雪峰はすなわち雪峰チーセすなわち釈迦牟尼しゃかむに仏の体である。その前の東の方の小さな雪峰はこれは文珠菩薩もんじゅぼさつの姿である。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
祇園精舎ぎおんしょうじゃに在す釈迦牟尼しゃかむに仏よ。あなたのあわれな弟子は、今危難の淵におぼれかかって居ます。恥辱ちじょくの縄に亡びかかって居ります。どうぞあわれなこの声をお聴き取り下さい。お救い下さい。
阿難と呪術師の娘 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
釈迦牟尼しゃかむにの画像金色夏花げばなあか
七百五十句 (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
その室は、中央の壁の凹所おうしょ、仏壇の後ろに禅宗の開祖菩提達磨ぼだいだるまの像か、または祖師迦葉かしょう阿難陀あなんだをしたがえた釈迦牟尼しゃかむにの像があるのを除いてはなんの飾りもない。
茶の本:04 茶の本 (新字新仮名) / 岡倉天心岡倉覚三(著)
静慮は悟道に入ることのできる六波羅密ろっぱらみつの一つであって、釈迦牟尼しゃかむにはその後年の教えにおいて、特にこの方法を力説し、六則をその高弟迦葉かしょうに伝えたと禅宗徒は確言している。
茶の本:04 茶の本 (新字新仮名) / 岡倉天心岡倉覚三(著)