ぴど)” の例文
実をいふと、お高婆さんもその皮肉家の一にんで、伊達太夫などは稽古のたんびに随分こつぴどおろされるばかりか、うかすると
おれがきっとお前の罪状を洗いざらい申し立てて、こっぴどくやっつけはしないかと思ってね。だが、おれにはそんなことは出来ないんだ
暗中の接吻 (新字新仮名) / モーリス・ルヴェル(著)
ところで汽車が発つと何うにも胸が収まらない。いつもよりは少しぴどられたのでな。
(新字旧仮名) / 石川啄木(著)
「だから随分ぴどく刎付けてやったのよ。」
夏すがた (新字新仮名) / 永井荷風(著)
一度馭者から『こらっ』とこっぴどく怒鳴られ、びっくりして顔をあげると、頸筋へ馬の鼻息がかかっているのであった。
小さきもの (新字新仮名) / モーリス・ルヴェル(著)
お蔭で学者は細君にぴどく叱り飛ばされてしまつた。無理はない、どんな学者の事業だつて、女の生む「孩児あかんぼ」に比べると、ほんの無益物やくざものに過ぎないのだから。
「はい、消毒しましたので。怖ろしい黴菌とやらを、これでこつぴどなぐりつけてやりましたよ。」
と、江戸ツ子自慢の聴衆きゝてが嬉しがりさうな事を言つて、ぴどく尾崎氏の演説をきめつける。
独逸の宰相ビスマルクが議会で反対党のヰルヒヨオからぴどく攻撃された事があつた。