過日こなひだ)” の例文
何から何まで見透しで御慈悲深い上人様のありがたさにつく/″\我折つて帰つて来たが、十兵衞、過日こなひだの云ひ過ごしは堪忍して呉れ
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
だけど私、過日こなひだでモウ皆に笑はれて、懲々こりごりしてるんですもの。ぢやけて下さいつて、欺して逃げて来たもんだから、野村さんに追駆おつかけられたのよ。
病院の窓 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
アラらしつたよ、チヨイとおつかさん旦那だんなが、うもまア貴方あなた本当ほんたうあきれるぢやアありませぬか、過日こなひだかいんなすつたぎりらつしやらないもんですから
世辞屋 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
何か汝とわつさり飲んで互ひの胸を和熟させ、過日こなひだの夜の我が云ふた彼云ひ過ぎも忘れて貰ひたいとおもふからの事、聞て呉れ斯様いふ訳だ
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
過日こなひだ奥の縁側で、祖母おばあさんと何か議論してるの。そして静子々々ツて何か私の事言つてる様なんですからね、悪いと思つたけど私立つて聞いたことよ。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
『その何ですよ、過日こなひだいや昨日か、神山樣にも一日お願ひしたんですがね。その、私は鮎釣に行きますから、御都合の可い時一日學校に被來いらつしやつて下さいませんか?』
鳥影 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
『その何ですよ、過日こなひだいや昨日か、神山さんにも一日お願ひしたんですがね。ソノ、私は鮎釣に行きますから、御都合のい時一日学校に被来いらしつてゐて下さいませんか?』
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
『それ、過日こなひだ橋の上に貴女と二人立つてゐた方ですね。あの方と今日同じ汽車に乘りましたよ。』
鳥影 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
『ソレ、過日こなひだ橋の上に貴女と二人立つてゐた方ですね。あの方と今日同じ滊車に乗りましたよ。』
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
『婆さんの理窟で行くと、兄が死ねば弟も死なゝけれアならなくなる。俺の姉は去年死んだけれども俺は恁して生きてゐる。然うだ。過日こなひだ死んだ馬喰ばくらふさんは、婆さんの同胞きようだいだつていふぢやないか?』
足跡 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
『婆さんの理屈で行くと、兄が死ねば弟も死なゝけれアならなくなる。俺の姉は去年死んだけれども俺はうして生きてゐる。うだ。過日こなひだ死んだ馬喰ばくらうさんは、婆さんの同胞きやうだいだつていふぢやないか?』
足跡 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)