“進行(すゝみ)” の例文
日(ひ)は漸(やうや)く高(たか)く、風(かぜ)は凉(すゞ)しく、船(ふね)の進行(すゝみ)は矢(や)のやうである。私(わたくし)は甲板(かんぱん)の安樂倚子(あんらくゐす)に身(み)をよせて倩々(つら/\)と考(かんが)へた。
接吻の響も、抱擁の激しい呼吸の響も、混沌として醉(ゑ)へる自然の音樂と合致してしまふ。「時間」の進行(すゝみ)は全く私の意識から消え失せて、瞬間は即ち永遠に通ずる思ひになる。
歓楽 (旧字旧仮名) / 永井荷風、永井壮吉(著)
一年(ねん)、二年(ねん)、三年(ねん)と、月日(つきひ)の車(くるま)は我等(われら)の仕事(しごと)の進行(すゝみ)と同(おな)じ速力(そくりよく)に※去(すぎさ)つて、櫻木海軍大佐(さくらぎかいぐんたいさ)が兼(かね)て豫定(よてい)した通(とう)りに、世(よ)にも驚(おどろ)く可(べ)き海底戰鬪艇(かいていせんとうてい)も、今(いま)は九分九厘(くぶくりん)まで竣成(しゆんせい)し、いよ/\今(この)二月(にぐわつ)の十一日(にち)