そく)” の例文
だが大事にいたらずむことはたしかだ、と金太郎は、そく度を増してゆく自轉車の上で、何の問題を解くときのやうに冷せいすい理した。
坂道 (旧字旧仮名) / 新美南吉(著)
陣十郎ははじめて驚き、前へ二間ほどそくに飛び、そこでヒラリと振り返って見た。
剣侠 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
至極しごく簡單かんたんながらそく裝置そうちもある箱形はこかた輕便寫眞器けいべんしやしんきだつた。
こいつはいけないと金太郎は思つた。兩足をもう一度ペタルにのせてそく度をせい御しようとしたが、ペタルの囘轉は速さを増すばかりで金太郎の足をせつけない。
坂道 (旧字旧仮名) / 新美南吉(著)
少し下つた時、兩足がひよいとペタルからはなれてしまつた。自轉車が加そく度で走り出し、從つてペタルが速く囘轉しはじめたので、うつかりしてゐて足をはなしたものらしい。
坂道 (旧字旧仮名) / 新美南吉(著)