退座たいざ)” の例文
いつのまにやら一点の燈灯ともしびもなく、阿波守を初め三卿の人々は、物音と同時にすばやく奥へ退座たいざしてしまったらしい。
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
さても郡奉行松本理左衞門は夫々申渡し相濟あひすみはや退座たいざせんとなしける處に百姓三五郎申上ますと云ながら白洲しらす飛込とびこむゆゑ下役どもソレと取押とりおさへるを猶も聞入ず大音だいおんあげ今は何をかかくし申さん惣内夫婦を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
越前守大音だいおんあげ次右衞門三五郎しばしまてよび止れども兩士はしひ退座たいざせんとするに兩人參らずんば越前守直に夫へ出向ぞと言に兩人は是非ぜひなく立戻たちもどり越前守がまへに出て平伏へいふくす是時越前守には次右衞門三五郎の手を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)