追払おいはら)” の例文
旧字:追拂
うるさき鳴海三郎は、いくら追払おいはらってもりるふうを見せず、毎日のように押掛けてきてはろくなことをいわない。全く困った友だ。
大脳手術 (新字新仮名) / 海野十三(著)
衆生しゅじょうは、きゃつばらを追払おいはらって、仏にも、祖師にも、天女にも、直接じかにお目にかかって話すがいい。
七宝の柱 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
同類の奴輩やつばら追払おいはらう積りだが、そこは運命で又身にきずを受け切死きりじにをするやも分らんが、そこで貴様に頼みというは、し己が切死をした事を聞いたら、早速上総の天神山へ駈付けてお蘭に
お酒の力が、一切の暗い気持を追払おいはらってくれた。全く有難いと思った。——そしてまだよいのうちだったけれど、あたしたちはカーテンを下ろして、寝ることにした。
俘囚 (新字新仮名) / 海野十三(著)
そしてそこにある婦人の屍体の上をチョロチョロと渡ってゆくので警官が驚いて追払おいはらおうとすると、そこへ紳士が飛び出していって素早く捕えて鄭重ていちょう詫言わびごとをいって猿を連れてゆきました。
流線間諜 (新字新仮名) / 海野十三(著)