辞令じれい)” の例文
が、あの女と別れるくらいは、何でもありませんといっているじゃないか? たといそれは辞令じれいにしても、猛烈な執着しゅうじゃくはないに違いない。
一夕話 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
あるいは非職ひしょく辞令じれいが場長の手許てもとまできてでもいやせぬかとも考える。まさかにそんなに早くやめられるようなこともあるまいと思いなおしてみる。
老獣医 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
挨拶として率爾そつじはないが、噛んでも味のない辞令じれい一片である。石川数正もそうだったが、総じてここの家中には一種特別な家風がげんとしてあるやに感じられる。
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
人にしても、辞令じれいたくみ智識ちしき階級の狡猾ずるさはとりませんが、小供こどもや、無智むちな者などに露骨ろこつなワイルドな強欲ごうよく姦計かんけい見出みいだす時、それこそ氏の、漫画的興味は活躍かつやくする様に見えます。
東京にいることになれば位置いちが低くても勉強ができる、なるべく非職ひしょくなどいう辞令じれいを受け取らずに、転任てんにんしたいものだ、めしくってすぐとでかけよう。
老獣医 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
糟谷かすやはついに東京に位置いちられないうちに、四月上旬じょうじゅん非職ひしょく辞令じれいった。
老獣医 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)