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輻
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やぼね
ふりがな文庫
“
輻
(
やぼね
)” の例文
輻
(
やぼね
)
の下に流るる道は、細き水銀の川のごとく、柱の黒い家の
状
(
さま
)
、あたかも
獺
(
かわうそ
)
が
祭礼
(
まつり
)
をして、
白張
(
しらはり
)
の
地口行燈
(
じぐちあんどん
)
を掛連ねた、鉄橋を渡るようである。
歌行灯
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
なお渠は
緘黙
(
かんもく
)
せり。その
脣
(
くちびる
)
を鼓動すべき力は、渠の両腕に奮いて、
馬蹄
(
ばてい
)
たちまち高く
挙
(
あ
)
ぐれば、車輪はその
輻
(
やぼね
)
の見るべからざるまでに快転せり。
義血侠血
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
お手の指が白々と、こう
輻
(
やぼね
)
の上で、糸車に、はい、綿屑がかかったげに、月の光で動いたらばの、ぐるぐるぐると輪が廻って、
爺
(
じじい
)
どのの
背
(
せなか
)
へ、荷車が、
乗被
(
のっかぶ
)
さるではござりませぬか。
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
前なるお美津は、小鼓に
八雲琴
(
やくもごと
)
、六人ずつが両側に、ハオ、イヤ、と拍子を取って、
金蒔絵
(
きんまきえ
)
に
銀鋲
(
ぎんびょう
)
打った欄干づき、
輻
(
やぼね
)
も漆の車屋台に、
前囃子
(
まえばやし
)
とて楽を奏する、その十二人と同じ風俗。
南地心中
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「はい、両手を下げて、白いその両方の
掌
(
てのひら
)
を合わせて、がっくりとなった嘉吉の首を、四五本目の
輻
(
やぼね
)
の
辺
(
あたり
)
で、上へ
支
(
ささ
)
げて持たっせえた。おもみが
掛
(
かか
)
ったか、姿を絞って、肩が
細
(
ほっそ
)
りしましたげなよ。」
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
足をばたばたの、手によいよい、
輻
(
やぼね
)
も
蹴
(
け
)
はずしそうに
悶
(
もが
)
きますわの。
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
“輻”の意味
《名詞》
(や)車輪の車軸と輪環部分をつなぐ骨組み。スポーク。
(出典:Wiktionary)
“輻(スポーク)”の解説
スポーク(spoke)とは、輻(や)とも呼ばれる、車輪を構成する部材のひとつである。
(出典:Wikipedia)
輻
漢検1級
部首:⾞
16画
“輻”を含む語句
輻輳
輻湊
輻射
輻射熱
輻射線
千輻輪
矢輻
蝙輻傘
車輻
車駕輻輳
輻射形
輻射状
輻射谷
輻屋
輻湊点
輻状