“やぼね”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
80.0%
矢輻20.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
お手の指が白々と、こうやぼねの上で、糸車に、はい、綿屑がかかったげに、月の光で動いたらばの、ぐるぐるぐると輪が廻って、じじいどののせなかへ、荷車が、乗被のっかぶさるではござりませぬか。
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
前なるお美津は、小鼓に八雲琴やくもごと、六人ずつが両側に、ハオ、イヤ、と拍子を取って、金蒔絵きんまきえ銀鋲ぎんびょう打った欄干づき、やぼねも漆の車屋台に、前囃子まえばやしとて楽を奏する、その十二人と同じ風俗。
南地心中 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
蒼空あおぞらの下を、矢輻やぼね晃々きらきらと光る車が、けてもいたのに、……水には帆の影も澄んだのに、……どうしてその時、大阪城の空ばかり暗澹あんたんとして曇ったろう。
南地心中 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)