軍吏ぐんり)” の例文
すると、軍吏ぐんり桓楷かんかいという者があって、劉表とは、以前の交誼よしみがあるとのことなので、桓楷を、その使者に立てた。
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ややあって軍吏ぐんりの一人が口を切り、先年浞野侯さくやこう趙破奴ちょうはど胡軍こぐんのために生擒いけどられ、数年後に漢にげ帰ったときも、武帝はこれを罰しなかったことを語った。
李陵 (新字新仮名) / 中島敦(著)
軍吏ぐんり徐彦成じょげんせいは材木を買うのを一つの商売にしていまして、丁亥ていがいの年、しん州の汭口場ぜいこうじょうへ材木を買いに行きましたが、思うような買物が見当らないので、暫くそこにふながかりをしていると
それでも、ほこを失ったものは車輻しゃふくってこれを持ち、軍吏ぐんり尺刀せきとうを手にして防戦した。谷は奥へ進むに従っていよいよせまくなる。胡卒こそつは諸所のがけの上から大石を投下しはじめた。
李陵 (新字新仮名) / 中島敦(著)
さすがに衛青にはこの老将をいたわる気持はあったのだが、その幕下ばっかの一軍吏ぐんりとらを借りて李広をはずかしめた。憤激した老名将はすぐその場で——陣営の中でみずから首ねたのである。
李陵 (新字新仮名) / 中島敦(著)