身繕みづくろひ)” の例文
莞爾につこりして、かぜみだれる花片はなびらも、つゆらさぬ身繕みづくろひおびおさへたパチンどめかるひとつトンとてた。
艶書 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
三四郎は此機会を利用して、丸卓まるテーブルわきを離れて、美禰子のそば近寄ちかよつた。美禰子は椅子の脊に、油気あぶらけのないあたまを、無雑作にたせて、つかれたひとの、身繕みづくろひこゝろなき放擲なげやり姿すがたである。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)