青葉にかこまれたそこのテニス・コートでぽん/\ボールを打つてゐた一年生に誘ひ込まれ、私は滅多になく躁いで産れてはじめてラケットを手にした。
物心のつく前から、旅藝人の中で育つて、親も兄弟も判らないのを苦にしてゐましたが、近頃何んでも、——私も素姓がわかるかも知れない——と躁いだり、沈んだりしてゐました。
咲子は躁ぎ立つて、彼女の下駄をそろへたり、伝票を出したりした。
“躁(躁病)”の解説
躁病(そうびょう、mania)は、気分が異常に高揚し、夜も眠らずに、支離滅裂な言動を発したり、危険を顧みなくなるような状態になる期間(病相)。19世紀の診断分類の登場時から躁うつ病の、あるいは現行では双極I型障害の、躁病の期間である。以上では、躁病とうつ病が循環すると考えられるが、循環しない単極性躁病の概念も存在する。躁病の用語は双極I型障害の場合に用い、より軽い双極II型障害では軽躁病を用いる。
(出典:Wikipedia)
(出典:Wikipedia)