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蹴散
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けちら
ふりがな文庫
“
蹴散
(
けちら
)” の例文
勝てば官軍、負けては賊の名をおわされて、降り積む雪を落花と
蹴散
(
けちら
)
し。暗くなるまで波止場の肥料置場でここを読む。
新版 放浪記
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
「それから
一目散
(
いちもくさん
)
に飛び出した。——
懐中
(
ふところ
)
の十手を取り出すわけにもいかないから、逃げの一手だ。
石燈籠
(
いしどうろう
)
を
蹴散
(
けちら
)
して
植込
(
うえこみ
)
をくぐって、裏門を出るのが精いっぱい」
銭形平次捕物控:211 遠眼鏡の殿様
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
日光へでも行くらしい、
男女
(
おとこおんな
)
の外国人の
綺麗
(
きれい
)
な姿が、彼等の前を
横
(
よこぎ
)
って行ったとき、お島は男に別れる自分の寂しさを
蹴散
(
けちら
)
すように、そう云って、嘆美の声を放った。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
遽
(
あわ
)
てゝ逃出すから、煙草盆を
蹴散
(
けちら
)
かす、土瓶を
踏毀
(
ふみこわ
)
すものがあり、料理代を払って
往
(
ゆ
)
く者は一人もありません、中に素早い者は料理番へ駈込んで鰆を三本
担
(
かつ
)
ぎ出す奴があります。
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
人波
(
ひとなみ
)
打
(
う
)
てる狹き道をば、
容赦
(
ようしや
)
もなく
蹴散
(
けちら
)
し、指して行衞は北鳥羽の方、いづこと問へど人は知らず、平家一門の
邸宅
(
ていたく
)
、武士の
宿所
(
しゆくしよ
)
、殘りなく火中にあれども消し止めんとする人の影見えず。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
▼ もっと見る
三代の
仇
(
あだ
)
を重ねたる
關東武士
(
くわんとうぶし
)
が野馬の
蹄
(
ひづめ
)
に
祖先
(
そせん
)
の
墳墓
(
ふんぼ
)
を
蹴散
(
けちら
)
させて、一門おめ/\
西海
(
さいかい
)
の
陲
(
はて
)
に迷ひ行く。とても流さん末の
慫名
(
うきな
)
はいざ知らず、まのあたり百代までの恥辱なりと思はぬこそ是非なけれ。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
島の職工達は磯の小石を
蹴散
(
けちら
)
し
新版 放浪記
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
蹴
常用漢字
中学
部首:⾜
19画
散
常用漢字
小4
部首:⽁
12画
“蹴”で始まる語句
蹴
蹴出
蹴飛
蹴落
蹴上
蹴鞠
蹴立
蹴込
蹴倒
蹴返