豪猪やまあらし)” の例文
皆まで嘘でなかろう、虎が蝟に制せらるるは昨今聞かぬが豪猪やまあらしつとてそのはりに犯され致命傷を受くる事は近年も聞くところだ。
壁はまったく装飾なく、はねをひろげた大きいひからびた蝙蝠こうもりや、豪猪やまあらしの皮や剥製の海毛虫シーマウスや、それらが何だか分からないような形になって懸かっている。
危険になると、豪猪やまあらしは毛を逆立て、甲虫かぶとむしは死んだまねをし、昔の近衛兵は方陣を作るが、この男は笑い出した。
クリストフがその名前を聞いただけでもすでに豪猪やまあらしのように髪を逆立てた、凡庸ぼんよう作家の力作を歌おうとしたので、シュルツはそれを止めさせるためにどんなに苦心したかわからなかった。
耳をろうするばかりの轟々ごうごうたるエンジンの地響を打たせ、威風堂々と乗り込み来たったのは、豪猪やまあらしの如き鋭いとげうごめかす巨大なる野生仙人掌さぼてんをもって、全身隙間なくよろいたる一台の植物性大戦車タンク
ペン軸を身につけた豪猪やまあらしもついでに見に行ってやりたまえ。そのペン軸は、彼にとっても、彼の女友達にとっても、甚だ邪魔っけなしろものだ。縞馬しまうま、これはほかのすべての縞馬の透し絵の標本だ。
博物誌 (新字新仮名) / ジュール・ルナール(著)
トダ人水牛を失う時は、術士ひそかに石三つ拾い夜分牛舎の前に往き、祖神に虎の歯牙を縛りまた熊豪猪やまあらし等をも制せん事を祈り、かの三石を布片につつみ舎の屋裏にかくすと、水牛必ず翌日自ら還る。