詐術や陰謀や暴力を主な手段とし、組織も性格も独裁的、非大衆的、不寛容的な私党だというのが、一般に認められる区別である。
詐術はかならず露顕するもののようである。さすがの浅田も九文落したのに十一文拾った事に就いて、どうにも弁明の仕様が無かった。
「はははは。そんな程度の詐術小計。なんで奇妙とするに足りましょうや。むしろ大器の者の恥ずるところです。いや、汗顔汗顔」
かほど信者の心を奪い去る邪教の詐術というものを一見したいと思い、元々かの本殿は勝手知ったるわが家ですから、ふと忍びこんでみたのです。