をし)” の例文
彼らはまだこのやうに泣くことを知らないゆゑに 男は三年に一遍泣くものだ といつた先生のをしへを破つてはならぬものと思つてるのであつた。
銀の匙 (新字旧仮名) / 中勘助(著)
それでも、老人達の殘したをしへは固く守られてゐると見えて、今でも、此の島の最後の者たるべき女の兒は、喇嘛の活佛のやうに大事にされてゐる。
ほをりの命の還りしなに、わたつみの神のバリを手渡すとてをしへた呪言は「此ハリや、呆鈎オボチ噪鈎スヽチ貧鈎マヂチ迂鈎ウルチ
古代生活の研究:常世の国 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
一般字典のをしふる所によれば、大丈夫だいぢやうぶは男の義なり、女をいだいて死せんのみ。何で死んでも広告代は同額也。
青眼白頭 (新字旧仮名) / 斎藤緑雨(著)
かう云ふ荘重の「調べ」をとらへ得たものは茫々たる三百年間にたつた芭蕉一人である。芭蕉は子弟ををしへるのに「俳諧は万葉集の心なり」と云つた。この言葉は少しも大風呂敷ではない。
芭蕉雑記 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
これ、介ノ維茂が、子息為憲に、をしへざるの致す所なり。
平の将門 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と子供にでもをしへる樣に言ふ。
鳥影 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
と小供にでもをしへる様に言ふ。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)