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言渡
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いひわた
願ふことはよもあるまじ然らば憑司は
疑ひなきにあらじ依て
手錠申付ると有ければ憑司は
戰々慄ひ出し何か云んとする所だまれと一
聲叱られて
蹲踞しぞ
笑止なる又大岡殿は榊原家の
留守居へ向はれ此度の一條
吟味懸り三人の役人は其方へ
屹度預け
追て呼出すべしと
言渡されたり
言渡され別けて善右衞門には
惡者松五郎
欠落中未だ行衞分らざる由につき
猶尋ね申べきむね
嚴重に仰付られしかば憑司はたゞ恐れ入てぞ居たりける
斯の如く追々調べ相
濟しに付一同
口書爪印仰付られ享保十二年二月二日一同呼出しに相成
例の如く役人
衆列席大岡殿夫々
科の次第申渡されたり