みず)” の例文
将軍家慶いえよしは、ようやくその政をみずからするを得たり。彼が家慶における関係は、あたかもチルゴーが路易ルイ十六世におけるが如き関係なりし。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
自分みずから手を下さゞるにもせよ、一家の世帯は夢中に持てぬものなれば、娘の時より之に慣るゝこと大切なりと知る可し。
新女大学 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
そしてこの神がみずから神事幽事を掌り給い、ことにその魂を大和の大三輪の神奈備かんなびに鎮め、その御子神達をもそれぞれに大和各所の神奈備に鎮めて、皇孫尊すめみまのみことの近き護りとなり給うたということは
江戸の大城たいじょう炎上のとき幼君を守護して紅葉山もみじやま立退たちのき、周囲に枯草の繁りたるを見て非常の最中不用心ぶようじんなりとて、みずから腰の一刀をぬいてその草を切払きりはら
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
うするとその主人は私にみずから新塾に出張して監督をして貰いたいと云う意があるように見える。私の家にはそのとき男子が二人、娘が一人あって、兄が七歳ななつに弟が五歳いつつぐらい。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)