“覚際”の読み方と例文
読み方割合
さめぎわ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
どうです、心得ているからいようなものの、それでいながら変にすごい。気の弱い方が、転寝うたたねからふっと覚際さめぎわに、ひょっと一目見たら、吃驚びっくりしますぜ。
吉原新話 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
又は露多き苔道こけみちをあゆむに山蛭やまびるひいやりとえりおつるなど怪しき夢ばかり見て覚際さめぎわ胸あしく、日の光さえ此頃このごろは薄うなったかと疑うまで天地を我につれなき者のよう恨む珠運しゅうん、旅路にかりそめの長居ながい
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
まだ顔を見せないで、打向った青行燈の抽斗ひきだしを抜くと、そこに小道具の支度があった……白粉刷毛おしろいばけの、夢の覚際さめぎわ合歓ねむの花、ほんのりとあるのを取って、なまめかしく化粧をし出す。
陽炎座 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)