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覚際
どうです、心得ているから
可いようなものの、それでいながら変に
凄い。気の弱い方が、
転寝からふっと
覚際に、ひょっと一目見たら、
吃驚しますぜ。
又は露多き
苔道をあゆむに
山蛭ひいやりと
襟に
落るなど怪しき夢
計見て
覚際胸あしく、日の光さえ
此頃は薄うなったかと疑うまで天地を我につれなき者の
様恨む
珠運、旅路にかりそめの
長居
まだ顔を見せないで、打向った青行燈の
抽斗を抜くと、そこに小道具の支度があった……
白粉刷毛の、夢の
覚際の
合歓の花、ほんのりとあるのを取って、
媚かしく化粧をし出す。