見澄みすま)” の例文
しかし、持彦は悠然ゆうぜんとして水をあび、そしてみそぎの行いをすましたのである。それを見澄みすました上の官人は小気味宜こきみよげにわらっていった。
花桐 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
致しながら人々の寢入りたる樣子をかんがへ喜内樣の御病氣つかれにて眠り給ひしを見澄みすまし一刀に御咽元のどもと
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
私が夫を迎えたのを見澄みすましてその方の稽古をねんがけて行ったものと存じます。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
夫人はそれを見澄みすましてこういった。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
見澄みすまし荷物又は懷中の金子等をうばとる護摩灰ごまのはひとかいふ盜人が道中筋には有と申すが貴樣も其樣なたぐひならんと正鵠ほしをさゝれて彼町人心の内に南無三寶彼奴きやつめ我等を護摩灰ごまのはひさとりしかと思ひ故意わざと言葉を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)