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らぞう
鐘馗という
悪魔降伏の神力ある英雄の像をまつる、桃太郎という
冒険者の像と、金太郎という動物と
同棲していた自然児の
裸像もまつる、この
祀りを五月の
節句と称するんだ
懐中から
取り
出した
春重の
写生帳には、十
数枚のおせんの
裸像が
様々に
描かれていた。
松五
郎は、
狐につままれでもしたように、しばし
三日月の
光に
浮いて
出たおせんの
裸像を、
春重の
写生帳の
中に
凝視していたが、やがて
我に
還って、あらためて
春重の
顔を
見守った。