裏書うらがき)” の例文
それにもかかはらず結果から云へば、彼はビスマークの政治上で断行したことを、彼の学説と言論によつて一々裏書うらがきしたと云つても差支さしつかえないのである。
点頭録 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
まるで、その言葉を裏書うらがきでもするように、生人形の首が、パッチリと目を見開いたのである。涼しい黒目がちの目だ。その黒目が右に左にキョロキョロと動いた。
悪魔の紋章 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
至って平和なる里中にも親に似ぬ子は鬼子という俚諺りげんは、今もって行われていて、時々はまたこれを裏書うらがきするような事件が、発生したとさえ伝えられるのである。
山の人生 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
A あれは尾上という人の歌そのものが行きづまって来たという事実に立派な裏書うらがきをしたものだ。
「そこもとのお得意といえば、裏書うらがきしていうまでもなく、そこにお持ちの助広で」
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それに引換えて文治の罪状送書おくりがきを見ますと、しものような裏書うらがきがあります。
後の業平文治 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「うん、あれは僕の想像に、裏書うらがきをしてくれるようなものだ」
西湖の屍人 (新字新仮名) / 海野十三(著)
のこまゐらせ候事 (裏書うらがき)正月廿五日夜封す
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
自分のなすことに一々君の裏書うらがきがある
太陽の子 (旧字旧仮名) / 福士幸次郎(著)