“蟠屈”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ばんくつ75.0%
わだかま25.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
顎十郎は先に立って厩を離れ、矢場のあずちのうしろをまわって塀ぎわのひろい空地に出ると、急に足をとめ、蟠屈ばんくつたる大きな老松おいまつこずえをさしながら藤波のほうへ振りかえり
顎十郎捕物帳:07 紙凧 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
加ふるに石南しやくなん蟠屈ばんくつ黄楊つけ繁茂はんもとを以てし、難いよ/\難を増す、俯視ふしして水をもとめんとすれば、両側断崖絶壁だんがいぜつぺき、水流ははるかに数百尺のふもとるのみ、いうしてはやく山頂にいたらんか
利根水源探検紀行 (新字旧仮名) / 渡辺千吉郎(著)
悪い請求たのみをさへすらりと聴て呉れし上、胸に蟠屈わだかまりなく淡然さつぱり平日つねのごとく仕做しなされては、清吉却つて心羞うらはづかしく、どうやら魂魄たましひの底の方がむづ痒いやうに覚えられ
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)