蟠屈ばんくつ)” の例文
顎十郎は先に立って厩を離れ、矢場のあずちのうしろをまわって塀ぎわのひろい空地に出ると、急に足をとめ、蟠屈ばんくつたる大きな老松おいまつこずえをさしながら藤波のほうへ振りかえり
顎十郎捕物帳:07 紙凧 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
加ふるに石南しやくなん蟠屈ばんくつ黄楊つけ繁茂はんもとを以てし、難いよ/\難を増す、俯視ふしして水をもとめんとすれば、両側断崖絶壁だんがいぜつぺき、水流ははるかに数百尺のふもとるのみ、いうしてはやく山頂にいたらんか
利根水源探検紀行 (新字旧仮名) / 渡辺千吉郎(著)
道はますますけわしくなるが、次第に絶頂に近づき、巨大なくましでが純林風に蟠屈ばんくつしている中をぬけて出ると、天地はたちまち開けて、一千三百六十米(四四八八尺)の普賢ふけんの絶頂に立つ。
雲仙岳 (新字新仮名) / 菊池幽芳(著)