“蓑毛”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
みのげ66.7%
みのけ33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
伊豆のヒガネやまは日金と書いて、三島峠、弦巻山つるまきやま、十国峠と峰を重ね、みどりの雲は深からねど、冬は満山の枯尾花、虚空に立ったるいのしし見るよう、蓑毛みのげを乱してそびえたり。
わか紫 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
その背部の蓑毛みのげを胸の方の房々の羽毛が逆に下から逆まきにかぶせているのは、ウソの身体の中で、一番颯爽さっそうとしているところだ。胸の羽毛はおさめた翼の風切かざきりの上へまでぱらぱらとかぶさる。
木彫ウソを作った時 (新字新仮名) / 高村光太郎(著)
飛ぶと、宙をかける威力には、とび退しさる虫がくちばしに消えた。雪の蓑毛みのけさわやかに、もとのながれの上に帰ったのは、あと口に水を含んだのであろうも知れない。
灯明之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
銑吉が立停たちどまったのは、花の莟を、蓑毛みのけかついだ、舞の烏帽子えぼしのようにかざして、葉の裏すく水の影に、白鷺が一羽、婀娜あだに、すっきりと羽を休めていたからである。
灯明之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)