蓑毛みのけ)” の例文
飛ぶと、宙をかける威力には、とび退しさる虫がくちばしに消えた。雪の蓑毛みのけさわやかに、もとのながれの上に帰ったのは、あと口に水を含んだのであろうも知れない。
灯明之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
銑吉が立停たちどまったのは、花の莟を、蓑毛みのけかついだ、舞の烏帽子えぼしのようにかざして、葉の裏すく水の影に、白鷺が一羽、婀娜あだに、すっきりと羽を休めていたからである。
灯明之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)