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蒼天
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そうてん
ふりがな文庫
“
蒼天
(
そうてん
)” の例文
しかしてわれ今再びこの
河畔
(
かはん
)
に立ってその泉流の
咽
(
むせ
)
ぶを
聴
(
き
)
き、その危厳のそびゆるを仰ぎ、その
蒼天
(
そうてん
)
の地に
垂
(
た
)
れて静かなるを
観
(
み
)
るなり。
小春
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
けれども、たとい他の者は皆
雨傘
(
あまがさ
)
の下にいようとも、恋人らがながめる幸福の
蒼天
(
そうてん
)
は、常に空の片すみに残ってるものである。
レ・ミゼラブル:08 第五部 ジャン・ヴァルジャン
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
拱廊
(
きょうろう
)
のあいだから見あげると、青い空がわずかに見え、雲が一片流れていた。そして、寺院の
尖塔
(
せんとう
)
が太陽に輝いて
蒼天
(
そうてん
)
に
屹立
(
きつりつ
)
しているのが眼にうつった。
ウェストミンスター寺院
(新字新仮名)
/
ワシントン・アーヴィング
(著)
その神は不思議な
大釜
(
おおがま
)
に五色の
虹
(
にじ
)
を焼き出し、シナの天を建て直した。しかしながら、また女媧は
蒼天
(
そうてん
)
にある二個の
小隙
(
しょうげき
)
を埋めることを忘れたと言われている。
茶の本:04 茶の本
(新字新仮名)
/
岡倉天心
、
岡倉覚三
(著)
この
茫々
(
ぼうぼう
)
たる大地を、
小賢
(
こざか
)
しくも垣を
囲
(
めぐ
)
らし
棒杭
(
ぼうぐい
)
を立てて某々所有地などと
劃
(
かく
)
し限るのはあたかもかの
蒼天
(
そうてん
)
に
縄張
(
なわばり
)
して、この部分は
我
(
われ
)
の天、あの部分は
彼
(
かれ
)
の天と届け出るような者だ。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
天文に属するもの
蒼天
(
そうてん
)
、空間などに起こること。
俳句とはどんなものか
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
コゼットは
蒼天
(
そうてん
)
のうちに、自分と似寄った者を、恋人を、
夫
(
おっと
)
を、天国における男性を、見いだしたのである。
レ・ミゼラブル:08 第五部 ジャン・ヴァルジャン
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
胡桃
(
くるみ
)
の
裏
(
うち
)
に
潜
(
ひそ
)
んで、われを
尽大千世界
(
じんだいせんせかい
)
の王とも思わんとはハムレットの述懐と記憶する。
粟粒芥顆
(
ぞくりゅうかいか
)
のうちに
蒼天
(
そうてん
)
もある、大地もある。
一世
(
いっせい
)
師に問うて云う、
分子
(
ぶんし
)
は
箸
(
はし
)
でつまめるものですかと。
一夜
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
蒼
漢検準1級
部首:⾋
13画
天
常用漢字
小1
部首:⼤
4画
“蒼天”で始まる語句
蒼天已死