葬儀屋そうぎや)” の例文
仏への追善だ。それだけは、ひきうける。一生末生まっしょう、おまえは食うに困らせぬ。……そうだ、夜が白む。はやく葬儀屋そうぎやへ行って、棺桶を
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
種吉がかねがね駕籠かき人足に雇われていた葬儀屋そうぎやで、身内のものだとて無料で葬儀万端を引き受けてくれて、かなり盛大せいだいに葬式が出来た。
夫婦善哉 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
釧路の西幣舞町にしぬさまいまちです。葬儀屋そうぎやをやってます。エ、エ、わたしとはごく懇意こんいで、つい先月も遊びに往って来ました
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
なぜなら、あのこっとうてんが、いつのまにかなくなって、つからなかったからです。そのかわり、そこが葬儀屋そうぎやとなって、真新まあたらしいかんおけやしろ蓮華れんげ造花ぞうかなどが、ならべてありました。
太陽と星の下 (新字新仮名) / 小川未明(著)
まるるときは産婆さんばに手数料を払い、死すときは葬儀屋そうぎや桶代おけだいを払い、死後遺産いさんゆずれば租税そぜいを払う、何ものか払わでまさるべきものかある。ただ自然の美のみはあたいなしに得らるる恩恵おんけいである。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
だから、まちのこっとうが、葬儀屋そうぎやはやがわりするのは不思議ふしぎでないよ。
太陽と星の下 (新字新仮名) / 小川未明(著)