荊州けいしゅう)” の例文
荊州けいしゅう襄陽じょうよう、南郡三ヵ所の城を一挙に収めて、一躍、持たぬ国から持てる国へと、その面目を一新しかけてきた機運を迎えて、玄徳は
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その一は、江夏の劉琦が、国主の兄でありながら、まったくけ者にされている不満から、いつ荊州けいしゅうの背後を突くか知れないという不安。
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
この日頃——曹操そうそうはもう北征の業をひとまず終って、都へ帰っていたが、ひそかに次の備えとして、荊州けいしゅう方面をうかがっていた。
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
……けれどここに外交と戦争とを併行して、荊州けいしゅう劉表りゅうひょうを味方に加えるの策に成功したら、もはや曹操とて完敗の地に立つしかありますまい
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
初め、荊州けいしゅうの劉表は当代の賢者なりと聞いて、仕官に赴きましたが、ともに道を論じても、実際の政治を見ても、無用の凡君なりと知りました。
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
燎原りょうげんの火とばかり、魔の手をひろげて行った黄巾賊の勢力は、今では青州せいしゅう幽州ゆうしゅう徐州じょしゅう冀州きしゅう荊州けいしゅう揚州ようしゅう兗州えんしゅう予州よしゅう等の諸地方に及んでいた。
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
荊州けいしゅうを追われ、ぜひなく呉の僻地におります。もし丞相から一礼を下し置かれれば、兵の狼藉をまぬかれ得ましょう」
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
愚臣の観るところでは、荊州けいしゅう劉表りゅうひょうと、襄城じょうじょう(河南省・許昌西南)の張繍ちょうしゅうとは、ひそかに聯携して、あえて、朝廷にさえ不遜な態度を示しています。
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
張繍は諸州の敗残兵を一手に寄せて、追々と勢威を加え、また、謀士賈詡かくを参謀とし、荊州けいしゅうの太守劉表りゅうひょうと軍事同盟をむすんで、宛城えんじょうを根拠としていた。
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
この上は、時を移さず、荊州けいしゅう、襄陽の二城を取って、その後に南郡の城を取り返そうと肚をきめたものだった。
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「——はてな。一大事があるといって、荊州けいしゅうから、迎えの急使がみえた。行くがよいか。行かぬがよいか?」
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
で、荊州けいしゅう劉表りゅうひょうへ使いをやって、兵糧米二万こくの借用を申しこむと、劉表からもていよく断られてしまった。
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ここしばらく、孔明は荊州けいしゅうにいなかった。新領治下の民情を、四郡の産物など視察して歩いていた。
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
荊州けいしゅう劉表りゅうひょう、にわかに兵をうごかし、わが退路を断って、許都を衝かんとする姿勢にうかがわれる」
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
折からわが大君袁紹におかれては、常に荊州けいしゅうの劉表と襄城の張繍とは、共に真の国士なり、と仰せられていましたが、せつに両雄を傘下さんかにお迎えありたい意志があります。
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
この許都を中心として西は荊州けいしゅう襄陽じょうよう劉表りゅうひょう張繍ちょうしゅうを見ても、東の袁術、北の袁紹の力をながめても、ほとんど四方連環れんかんの敵であって、安心のできる一方すら見出せない。
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
たまいだくと、たちまち心変りして、袁紹と烈しい喧嘩別れをして、即日、これも本国へさして急いでしまったが、途上、荊州けいしゅう劉表りゅうひょうさえぎられて、その軍隊はさんざんな傷手をうけ
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
荊州けいしゅう劉表りゅうひょう、河北の袁紹えんしょうとむすび、五十万の軍勢をおこす。また西涼の馬騰ばとう并州へいしゅう韓遂かんすい徐州じょしゅう玄徳げんとくなんども、各地から心をあわせて一せいに起ち、その兵七十万と聞えわたる。
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「推参なる長髯獣ちょうぜんじゅうめ。われに荊州けいしゅうるの力なしと見くびったか」
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
荊州けいしゅうが破れました。——今暁の早打ちに依ると」
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)