花園くわゑん)” の例文
小母さんは、それは/\広々とした花園くわゑんを持つてゐて、そこには薔薇の花をたくさん植ゑてゐました。
小熊秀雄全集-14:童話集 (新字旧仮名) / 小熊秀雄(著)
先生のみか世人よのひとおどろかすもやすかるべしと、門外もんぐわい躊躇ちうちよしてつひにらず、みちひきかへて百花園くわゑんへとおもむきぬ、しん梅屋敷うめやしき花園くわゑんは梅のさかりなり、御大祭日ごたいさいびなれば群集ぐんしふ其筈そのはずことながら
隅田の春 (新字旧仮名) / 饗庭篁村(著)
エデンの花園くわゑんで、蛇にだまされてイヴが食べた果実くだものを、大抵の人は林檎だと思つてゐるらしいが、それは大きな間違で、あの果実が林檎で無かつたのは、誰よりかも私がよく知つてゐる。
梅屋敷うめやしきは文化九年の春より菊塢きくうが開きしなり、百花園くわゑん菊塢のでん清風廬主人せいふうろしゆじん、さきに国民之友こくみんのともくはしくいだされたれば、誰人たれびとも知りたらんが、近頃ちかごろ一新聞あるしんぶん菊塢きくう無学むがくなりしゆゑ
隅田の春 (新字旧仮名) / 饗庭篁村(著)
歴史家の考証するところにると、エデンの花園くわゑんといふのは、たしかにバビロニヤの事だつた。ところが、バビロニヤには林檎といふものが無かつた。丁度寺内首相の頭に髪の毛が無いと同じやうに。