良民りょうみん)” の例文
されば、その主人が好意上から、或いはその他の理由から、奴婢ぬひのぼせて家人けにんとなし、或いは家人けにん奴婢ぬひを解放して良民りょうみんとなすことが出来ます。
裏町で一番広大で威張いばっている某富豪ふごうの家の普請ふしんに運ぶ土砂どしゃのトラックの蹂躙じゅうりんめに荒された道路だ、——良民りょうみんの為めに——のいきどおりも幾度か覚えた。だが、恩恵もあるのだ。
かの女の朝 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
「きさまたちのいいぶんにおちぬ。秀吉ほどな人物がさような沙汰さたをするはずがない。アアわかった、しゅもなしのうもなしに、かようなことをして、良民りょうみんをくるしめ歩く野武士のぶしだなッ」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と先生は奥さんまで職業婦人の所為せいか無職を良民りょうみんと思っていない。
ぐうたら道中記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)