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じぶん
ふりがな文庫
“
自個
(
じぶん
)” の例文
王宙は伯父の
室
(
へや
)
を出て庭におり、
自個
(
じぶん
)
の住居へ帰るつもりで
植込
(
うえこみ
)
の
竹群
(
たけむら
)
の
陰
(
かげ
)
を歩いていた。夕月がさして竹の葉が
微
(
かすか
)
な風に動いていた。
倩娘
(新字新仮名)
/
陳玄祐
(著)
皆ちょっとの間季和の方へ注意を向けたが、すぐ忘れてしまったように隣同士で話をはじめる者もあれば、
自個
(
じぶん
)
の
陶酔
(
とうすい
)
の世界に帰って往く者もあった。
蕎麦餅
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
宙は女と離れてその前にある
小門
(
こもん
)
の口の方へ歩いて往った。宙はその時女の足が一足二足
自個
(
じぶん
)
を追って来たように感じた。
倩娘
(新字新仮名)
/
陳玄祐
(著)
夢現
(
ゆめうつつ
)
の境にいた章の眼は覚めてしまった。青い
衣服
(
きもの
)
を着た小柄な女が、
自個
(
じぶん
)
に片手を掴まれて傍に
仆
(
たお
)
れていた。
狼の怪
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
「これは
自個
(
じぶん
)
の本意でなくて、親戚の張閑雲から強いて言われたから、しかたなくやろうとした事だ、どうか怒りをやめてくれ、我には決して二心がない」
碧玉の環飾
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
▼ もっと見る
小さい時から
衡
(
こう
)
州へ呼び寄せられて
倩娘
(
せいじょう
)
といっしょに育てられ、二人の間は
許嫁
(
いいなずけ
)
同様の待遇で、他人に向っておりおり口外する伯父の
詞
(
ことば
)
を聞いても、倩娘は
自個
(
じぶん
)
のものと思うようになり
倩娘
(新字新仮名)
/
陳玄祐
(著)
崔も馬からおりて
僕
(
げなん
)
といっしょにそれぞれ
自個
(
じぶん
)
の乗っていた馬を傍の花の木に繋いだ。林のはずれに立っていた婢が若い二三人の婢といっしょに引返してきた。
崔書生
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
邪神は
自個
(
じぶん
)
の前へ元振を
招
(
よ
)
んだ。元振は考えついたことがあった。元振は邪神に向って言った。
殺神記
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
退けている人じゃないか、
自個
(
じぶん
)
より議論が偉いといって、妖怪あつかいにするは怪しからん、しかし
真箇
(
ほんとう
)
に怪しいものなら、猟犬を
伴
(
つ
)
れてきて、けしかけたらいいじゃないか
狐と狸
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
少年は
自個
(
じぶん
)
一人の力ではどうにもならないので、父親に話して、父親から頼んでもらおうと思った。走ってすぐ近くにある自個の家へ帰り、父親の姿を見るなりあわただしく言った。
北斗と南斗星
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
それに
自個
(
じぶん
)
のとってこない鳥獣の肉がたくさんあることがあるので、ついすると、二人で猟にでも往くのではないかと思ったが、べつに弓矢らしい物を構えているようにも思われなかった。
狼の怪
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
主婦はちょっと腰を浮かして、
自個
(
じぶん
)
の前の牀へ指をさした。
黄金の枕
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
老嫗は起って昇降口の扉を開けてまず
自個
(
じぶん
)
で降りた。
賈后と小吏
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
「お嬢さんも、
自個
(
じぶん
)
でおあがりなさいまし」
狼の怪
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
自
常用漢字
小2
部首:⾃
6画
個
常用漢字
小5
部首:⼈
10画
“自”で始まる語句
自分
自
自然
自棄
自惚
自由
自暴
自家
自動車
自宅