ぐさ)” の例文
玉をいだいて罪ありと云う古語があるそうだが、これは桐をやしてぜになしと云ってもしかるべきもので、いわゆる宝の持ちぐされである。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
第四十五 さば鮨 も上手に出来るとなかなか結構なものです。鯖はぐされというほどに腐りやすいものですからこれには極く新しい魚を用いなければなりません。
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
こまつたあめじやありませんか。これじやはらわたなかまで、すつかり、びしよぐされですよ」
ちるちる・みちる (旧字旧仮名) / 山村暮鳥(著)
お袋がへそくりでやらしてゐた、この茶店まで立ちぐされになり、俺達二人は長い間食ふや食はずの路頭に迷つた上、かたきが討ちたいばかりに傳手つてを求めて、弟の俺が、お前のところへ奉公に上がつたんだ