胴衣どうぎ)” の例文
ひかけて、ぐつとつまると、しろのづぼん、おなじ胴衣どうぎのたけこれにかなつて風采ふうさいがつた、しや代表だいへう高信たかのぶさん、かたはらよりすゝでゝ
十和田湖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
大抵は義雄のからだに相應してゐるが胴のところが少しゆるいので、チヨツキの下に、勇の厚い綿入れ胴衣どうぎをつけた。
泡鳴五部作:04 断橋 (旧字旧仮名) / 岩野泡鳴(著)
枯草と同じようなうすい無地の着物をその老媼おうなは着ていた。綿のふっくら入っている胴衣どうぎひもだけが紫色なのである。
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
吉といわれし軍夫は、分捕ぶんどりなるべし、紫緞子どんすの美々しき胴衣どうぎを着たり。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)