背中せな)” の例文
まち人恋ふるねづみなき格子の咒文じゆもん、別れの背中せなに手加減の秘密おくまで、唯おもしろく聞なされて、くるわことばを町にいふまで去りとははづかしからず思へるもあはれなり、年はやうやう数への十四
たけくらべ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
今日此頃けふこのごろ全盛ぜんせい父母ふぼへの孝養こうよううらやましく、おしよくとほあねの、いのらいのかずらねば、まちびとふるねづみなき格子かうし呪文じゆもんわかれの背中せな手加减てかげん秘密おくまで、たゞおもしろくきゝなされて
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
身内や痛からん筒袖の処々引さかれて背中も腰も砂まぶれ、止めるにも止めかねて勢ひのすさまじさに唯おどおどと気をまれし、筆やの女房走り寄りて抱きおこし、背中せなをなで砂を払ひ、堪忍かんにんをし
たけくらべ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)