肌脱はだぬ)” の例文
にんは、小西こにしのあとについてゆきました。みせつぎでは、小西こにし父親ちちおやらしいひとが、肌脱はだぬぎで、わかおとこ相手あいてにして、将棋しょうぎをさしていました。
眼鏡 (新字新仮名) / 小川未明(著)
これに対して総兵衛ははじめは羽織はおりを脱ぎつぎは肌脱はだぬぎになりおわりにすっぱだかになっておどりだした。
ああ玉杯に花うけて (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
肌脱はだぬぎになったり、鉢巻をしたり、大きく安坐をかいて、尻をすっかりまくり上げたり、大声で色々なことを怒鳴り合った。——時々なぐり合いの喧嘩けんかが起った。
蟹工船 (新字新仮名) / 小林多喜二(著)
彫物ほりものを見せて肌脱はだぬぎになつたり、蝠女ふくぢよとやらがお前にしつこくからみ付いたり、上州屋の周太郎が顏の火口を刺して居るのを見せたり、皆んなする事がわざとらしいぢやないか
ひよれる子に肌脱はだぬぎの乳房ちぶさあり
五百五十句 (新字旧仮名) / 高浜虚子(著)