肉蒲団にくぶとん)” の例文
宝沢が読んで聞かした漢文で書いた『肉蒲団にくぶとん』という袖珍本しゅうちんぼんもそこから借り出してきたものであった。
暴風雨に終わった一日 (新字新仮名) / 松本泰(著)
宮なるよ! 姦婦かんぷなるよ! 銅臭の肉蒲団にくぶとんなるよ! とかつは驚き、かつは憤り、はたとめて動かざるまなこには見る見る涙をたたへて、唯一攫ひとつかみにもせまほしく肉のをどるを推怺おしこらへつつ
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
こころみに思へ、品蕭ひんせうの如き、後庭花こうていくわの如き、倒澆燭たうげうしよくの如き、金瓶梅きんぺいばい肉蒲団にくぶとん中の語彙ごゐを借りて一篇の小説を作らん時、善くその淫褻いんせつ俗をやぶるを看破すべき検閲官のすう何人なるかを。(一月三十一日)
金瓶梅きんぺいばい肉蒲団にくぶとんは問はず、予が知れる支那小説中、誨淫のそしりあるものを列挙すれば、杏花天きやうくわてん燈芯奇僧伝たうしんきそうでん痴婆子伝ちばしでん、牡丹奇縁、如意君伝によいくんでん、桃花庵、品花宝鑑ひんくわはうかん、意外縁、殺子報、花影奇情伝