)” の例文
旧字:
その日の夕方、次郎は、俊亮と、お民と、お浜の三人が茶の間で話しこんでいるのを、隣の部屋から立ちきしていた。
次郎物語:01 第一部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
娘のお妙の侠気と恋ごころから、あぶないところを救われたのだったが、それをまた、筆幸ふでこうの息子幸吉という、おせっかいなのが、裏口で立ちきしていて、岡焼おかやき半分から、忠義顔ちゅうぎがお
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
ゆえに様子を知らない新参の入門者は二人の間を疑うよしもなかったというまた鵙屋の奉公人共はあれでこいさんはどんな顔をして佐助どんを口説くどくのだろうこっそり立ちきしてやりたいと蔭口かげぐち
春琴抄 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
それは、何気なく訪れて来たものだったが、何やら内部なかに、物さわがしい人の動きがあるので、かれは、先刻さっきからそこに、そうやって水口に耳を押し当てて、一伍一什いちぶしじゅうを立ちきしていたのだった。
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)