聞咎ききとが)” の例文
それを聞咎ききとがめたり、調べ上げたりなんぞしようとする者は一人もなく、ただ、そういう光景を、そういう気持を以て眺めやるばかりのことでありました。
大菩薩峠:33 不破の関の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
こう辰さんが言ったのを隠居は炬燵にあたりながら聞咎ききとがめた。地主の前に酒徳利の包を解きながら
千曲川のスケッチ (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
近処きんじょのものは、折ふししからぬおうわさをする事があって、冬の夜、周囲まわりをとりまいては、不断ふだんこわがってる殿様が聞咎ききとがめでもなさるかのように、つむりを集めて潜々声ひそひそごえ
忘れ形見 (新字新仮名) / 若松賤子(著)
女房はそれかあらぬか、内々あやぶんだ胸へひしと、色変るまで聞咎ききとが
海異記 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
その言葉を課長は聞咎ききとがめた。
地中魔 (新字新仮名) / 海野十三(著)
聞咎ききとがめでお調べの筋と来るんじゃなし、学問のために聞いて置きてえとおっしゃるんだから、ここは一番、願人坊主の腮の見せどころ、いや咽喉の聞かせどころと舌なめずり
大菩薩峠:41 椰子林の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
丁度看護婦が来て、お房の枕頭まくらもとで温度表を見ていたが、それを聞咎ききとがめて
芽生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
女房聞咎ききとがめて
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
今の絶叫を聞咎ききとがめたのは、御成門外で駕籠かごを捨てた宇津木兵馬の一行です。
大菩薩峠:02 鈴鹿山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
三吉は聞咎ききとがめて、「飯田の方に候補者でも有るんですか」
家:01 (上) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
と声も高くなり、たたく音も強くなりましたから、北原賢次が聞咎ききとがめて
大菩薩峠:27 鈴慕の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
女はその声を聞咎ききとがめないわけにはゆきませんでした。
大菩薩峠:17 黒業白業の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
子供たちのこんな話を米友が聞咎ききとがめました。
大菩薩峠:10 市中騒動の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)