なろ)” の例文
「では。……すみませんが、そこの琵琶をお取りくださいませぬか。大原御幸も、まだみなは覚えませぬが、なろうたくだりだけを、いてみましょう」
私本太平記:02 婆娑羅帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
光子さんが洋画の方なろておられて、教室もちごてましたよって、ものいう機会もなかったはずです。
(新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
「ほう、うまいもんじゃないか。いつ、そげな芸当をなろたか」
花と龍 (新字新仮名) / 火野葦平(著)
「ではなにか、でもなろうていやはるのでは。——」
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
「ム。近ごろ地蔵尊じぞうそんなろうている。母上のくだされたお守りの地蔵尊をお手本に」
私本太平記:12 湊川帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)