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緋鹿
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ひが
ふりがな文庫
“
緋鹿
(
ひが
)” の例文
北斎
(
ほくさい
)
の描いたという珍しい美人画がある。その
襟
(
えり
)
がたぶん
緋鹿
(
ひが
)
の
子
(
こ
)
か何かであろう、恐ろしくぎざぎざした縮れた線で描かれている。
浮世絵の曲線
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
トム公は
振
(
ふ
)
り
顧
(
かえ
)
って、ぎょっとしたように外の闇を見つめた。からたちのいばらを
透
(
す
)
かして華やかな
友禅
(
ゆうぜん
)
ちりめんと
緋鹿
(
ひが
)
の
子
(
こ
)
の
帯揚
(
おびあげ
)
が見えた。
かんかん虫は唄う
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そこへ
娼妓
(
しょうぎ
)
たちでしょう、頭にかぶさる位の大きな
島田髷
(
しまだまげ
)
に、
花簪
(
はなかんざし
)
の長い房もゆらゆらと、広い
紅繻子
(
べにじゅす
)
や
緋鹿
(
ひが
)
の
子
(
こ
)
の
衿
(
えり
)
をかけた派手な
仕掛
(
しかけ
)
姿で、手拍子を打って
鴎外の思い出
(新字新仮名)
/
小金井喜美子
(著)
たとえば、帯は
緞子
(
どんす
)
の帯ならば、その
滑
(
なめ
)
らかな地質がその物の如く現われ、また
緋鹿
(
ひが
)
の
子
(
こ
)
の帯上げならば、鹿の子に絞り染めた技巧がよく会得されるように精巧に試みました。
幕末維新懐古談:27 引き続き作に苦心したこと
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
裾模様
(
すそもよう
)
が付いて居ります、
紅
(
べに
)
かけ花色、深川鼠、
路考茶
(
ろこうちゃ
)
などが
流行
(
はや
)
りまして、
金緞子
(
きんどんす
)
の帯を締め、若い芸者は
縞繻子
(
しまじゅす
)
の間に
緋鹿
(
ひが
)
の
子
(
こ
)
をたゝみ、畳み帯、
挟
(
はさ
)
み帯などと申して華やかなこしらえ
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
▼ もっと見る
赤地に白菊の半襟、
緋鹿
(
ひが
)
の子の腰巻、
朱鷺色
(
ときいろ
)
の
扱帯
(
しごき
)
をきりきりと巻いて、
萌黄繻子
(
もえぎじゅす
)
と緋の板じめ
縮緬
(
ちりめん
)
を打合せの帯、
結目
(
むすびめ
)
を小さく、
心
(
しん
)
を入れないで
帯上
(
おびあげ
)
は赤の菊五郎格子、
帯留
(
おびどめ
)
も赤と紫との打交ぜ
葛飾砂子
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
緋
漢検準1級
部首:⽷
14画
鹿
常用漢字
小4
部首:⿅
11画
“緋鹿”で始まる語句
緋鹿子
緋鹿子絞