緊要きんえう)” の例文
猛虎まうこほふるといふ投鎗なげやりかたち髣髴ほうふつとして、その兩端りようたん一種いつしゆ奇妙きめう鋭角えいかくをなしてる、この鋭角えいかくが、てい速力そくりよくくわんして、きわめて緊要きんえうなる特色とくしよくさうである。
きかれ其方共顏を上よと有しに兩人は恐る/\少しかほあぐる時駕籠のりものの中より熟々つく/″\と見らるゝに(此時は所謂いはゆる誠心せいしん虚實きよじつ眞僞しんぎおもてあらはるゝを見分る緊要きんえうの場なりとぞ)
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
〔譯〕學を爲すの緊要きんえうは心の一字に在り。心をつて以て心を治む、之を聖學と謂ふ。政を爲すの着眼ちやくがんは情の一字に在り。情にしたがうて以て情を治む、之を王道と謂ふ。王道と聖學と二に非ず。