絆創膏ばんさうかう)” の例文
しばらくしてはりいてゆびさきはりあとおさへて其處そこ絆創膏ばんさうかうつた。それがすべ薄闇うすくらランプのひかりおこなはれた。勘次かんじランプをちかづけさせて醫者いしやはやつと注射ちうしやをはつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
水野さんが、子供会の小さい提袋さげぶくろを開いて、絆創膏ばんさうかうやオゾや仁丹の入つてゐる中から、小さいびんをとり出し、その中の水のやうなものを松男君の小さい人さし指に塗りました。
原つぱの子供会 (新字旧仮名) / 槙本楠郎(著)
吐かせようとして抱きかかへると、ぷんと腋臭わきがめくにほひがしたが、それは永年忘れてゐたわが子のにほひだつた。注射を済ませると、寿枝が絆創膏ばんさうかうを貼つた。圭介はふと寿枝の顔を見た。
六白金星 (新字旧仮名) / 織田作之助(著)