“累(わづらひ)” の例文
彼はその夫と偕(とも)に在るを謂(い)はんやう無き累(わづらひ)と為(す)なれど、又その独(ひとり)を守りてこの家に処(おか)るるをも堪(た)へ難く悒(いぶせ)きものに思へるなり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
かれはしば/\左手(ゆんで)をのべて顏のあたりの霧をはらへり、その疲れし如くなりしはたゞこの累(わづらひ)ありしためのみ 八二—八四
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
あの蓮華寺の内部(なか)の光景(ありさま)を考へると、何か斯う暗い雲が隅のところに蟠(わだかま)つて、絶えず其が家庭の累(わづらひ)を引起す原因(もと)で、住職と奥様とは無言の間に闘つて居るかのやう——譬(たと)へば一方で日があたつて
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
真理をして真理自らを語らしめよ。言詮の繁重は真理の累(わづらひ)也。
予が見神の実験 (新字旧仮名) / 綱島梁川(著)