“箱入(はこい)” の例文
仕方なしに、大きな箱入(はこい)りの札(ふだ)目録を、こゞんで一枚々々調べて行くと、いくら捲(めく)つても後(あと)から後(あと)から新らしい本の名が出て来(く)る。仕舞に肩が痛くなつた。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
一生(いつしやう)を箱入(はこい)りらしく暮(く)らさせんとにや、さすれば此歌(このうた)は無心(むしん)に書(か)きたるものにて半文(はんもん)の價値(ねうち)もあらず、否(いな)この優美(いうび)の筆(ふで)のあとは何(なん)としても破廉耻(はれんち)の人(ひと)にはあらじ
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
何(なに)より先(さき)に私(わたし)が身(み)の自墮落(じだらく)を承知(しやうち)して居(ゐ)て下(くだ)され、もとより箱入(はこい)りの生娘(きむすめ)ならねば少(すこ)しは察(さつ)しても居(ゐ)て下(くだ)さろうが、口奇麗(くちぎれい)な事(こと)はいひますとも此(この)あたりの人(ひと)に泥(どろ)の中(なか)の蓮(はす)とやら
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)