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竪皺
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たてじわ
ふりがな文庫
“
竪皺
(
たてじわ
)” の例文
左の頬に深い
竪皺
(
たてじわ
)
がより、唇はやわらかくむすばれている。坐った姿勢も、顔の表情も、平常どおり柔和でゆったりとおちついていた。
樅ノ木は残った:04 第四部
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
レエヌさんは、熱が出てきたのらしく、眉の間に
竪皺
(
たてじわ
)
をよせ、苦しそうにあえぎながら、おぼろな声で
囈言
(
うわごと
)
をいっていた。
キャラコさん:05 鴎
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
叔父は、額に深い
竪皺
(
たてじわ
)
を寄せ部屋の中をぐるぐる歩きはじめた。この癖も中野の記憶にあった。叔父は何か考え事があると昔もよくそうしていた。
地図にない島
(新字新仮名)
/
蘭郁二郎
(著)
「えーい、君少し注意したまへ!」と色を失つて飛んで来た川島先生は
肺腑
(
はいふ
)
を絞つた声で
眉間
(
みけん
)
に深い
竪皺
(
たてじわ
)
を刻み歯をがた/\
顫
(
ふる
)
はして叱つたが、頬を流れる私の涙を見ると
途上
(新字旧仮名)
/
嘉村礒多
(著)
船長の
額
(
ひたい
)
に深い
竪皺
(
たてじわ
)
が
這入
(
はい
)
った。コメカミがピクリピクリと動いた。当惑した時の緊張した表情だ。こうした場合の、そうした船員の気持が、わかり過ぎる位わかっているんだからね。
難船小僧
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
▼ もっと見る
阿賀妻は
眉間
(
みけん
)
に
竪皺
(
たてじわ
)
をよせて立ちどまった。
石狩川
(新字新仮名)
/
本庄陸男
(著)
冷たい水で洗ったために、彼の日にやけた顔は活き活きと赤く、頬も固く緊張して、いつも見馴れた
竪皺
(
たてじわ
)
が消えていた。
樅ノ木は残った:02 第二部
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
無精髯
(
ぶしょうひげ
)
が伸びほうだいに顔じゅうにはびこり、陽に焼けた
眉間
(
みけん
)
や頬に
狡猾
(
こうかつ
)
の紋章とでもいうべき深い
竪皺
(
たてじわ
)
がより、
埃
(
ほこり
)
と
垢
(
あか
)
にまみれて沈んだ
鉛色
(
なまりいろ
)
をしていた。
キャラコさん:04 女の手
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
甲斐の左の頬にふかい
竪皺
(
たてじわ
)
がよった。甲斐はかすかに唇で笑い、ごくさりげなく、それは光栄であると云った。
樅ノ木は残った:01 第一部
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
生れてからまだ笑ったことがないという苦ッ面の眉間に
竪皺
(
たてじわ
)
をよせてムンズリと膝を折ると
顎十郎捕物帳:05 ねずみ
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
両の頬に
竪皺
(
たてじわ
)
が刻まれ、唇がきっとひき緊り、呼吸が深く大きくなった。
樅ノ木は残った:04 第四部
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
すると頬に深い
竪皺
(
たてじわ
)
がより、唇の間から僅かに歯が見えた。
樅ノ木は残った:02 第二部
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
竪
漢検準1級
部首:⽴
13画
皺
漢検1級
部首:⽪
15画
“竪”で始まる語句
竪
竪琴
竪縞
竪川
竪坑
竪薦
竪帷
竪町
竪穴
竪矢