竜馬りゅうめ)” の例文
旧字:龍馬
白の振袖、あやの帯、くれない長襦袢ながじゅばん、胸に水晶の数珠じゅずをかけ、襟に両袖を占めて、波の上に、雪のごとき竜馬りゅうめに乗せらる。およそ手綱の丈を隔てて、一人下髪さげがみの女房。旅扮装たびいでたち
海神別荘 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「邪神は年経としへたるおろちなり、かれがさがみだらなる物にて、牛とつるみてはりんを生み、馬とあいては竜馬りゅうめを生むといえり、このまどわせつるも、はた、そこの秀麗かおよきたわけたると見えたり」と云っていましめた。
蛇性の婬 :雷峰怪蹟 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
「これは竜馬りゅうめだ」
三両清兵衛と名馬朝月 (新字新仮名) / 安藤盛(著)
白雪はくせつ竜馬りゅうめにめされ、なぎさを掛けて浦づたい、朝夕の、あかね、紫、雲の上を山の峰へおしのびにてお出ましの節、珍しくお手にりましたを、御姉君おんあねぎみ乙姫おとひめ様へ御進物の分でござりました。
海神別荘 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)